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【BAZAAR SUMMIT LIVE vol.2】治部れんげさん×塚本香のウェビナーをリポート!

【BAZAAR SUMMIT LIVE vol.2】治部れんげさん×塚本香のウェビナーをリポート!

私たちがいま直面している課題をともに考え、未来につながる道をともに探そうと、2021年から本格始動したプロジェクト「BAZAAR SUMMIT(バザー サミット)」。多様性と包括性(Diversity & Inclusion)、女性の体と健康(Women Living Well)、サステナビリティ(Sustainability)という3つのテーマを軸に、その問題に取り組んでいるキーパーソンとともに、変化へのきっかけとなるようなメッセージをさまざまなプラットフォームを通じて発信しています。 そのコンテンツの一つとして、8月からスタートした無料ウェビナー「BAZAAR SUMMIT LIVE(バザー サミット ライブ)」の第2回目が、9月29日(水)に開催!『ハーパーズ バザー』編集長の塚本香がモデレーターを務め、ジャーナリストであり東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授で内閣府男女共同参画計画実行・監視専門調査会委員としても活躍されている治部れんげさんをゲストに迎えて、日本の制度やジェンダー格差に対する意識などについてトークを展開しました。 治部れんげさん(左)と塚本香。 . 今回のテーマは「日本の制度から見るジェンダー問題の現在」。 日本でも議論の重要性が増している交差性の問題をはじめ、世界156カ国の中で120位という「ジェンダー・ギャップ指数が物語るジェンダー・ギャップの現実、ジェンダーに対する無意識の思い込み(ステレオタイプ)が刷り込まれる要因、性的マイノリティの生きづらさを生む問題点などについて、データとともに分かりやすく教えていただきました。 治部さんの説得力ある解説に、ウェビナーに参加してくださった視聴者の方々からも、多くの興味深い質問が飛び交うほど! 治部さんに追加質問をインタビュー セミナー開催中には視聴者の方々から数多くの質問が寄せられました。時間内にお答えできなかった質問について、治部さんに追加でインタビューしました。 ——「管理職に値する優秀な女性は多いと思うのですが、一方で前に出たがらない人が女性の方が多いのかなという印象があります。前に出てはいけないのではないか、など空気を作っているのは社会のバイアスや私たちが育ってきた環境が大きいと思います。突き詰めると教育がとても大事だと思うのですが、今学校教育についても政策的にテコ入れされていることはあるのでしょうか?」 治部さん:まず「女性が管理職になりたがらない」という、ジェンダーとリーダーシップについて議論すると、よく出てくる話題について考える必要があると思います。こうした議論をする際は「男性はどうなのか?」を検討する必要があります。そして、いわゆるアンケート調査は、こうした比較をしていないことがあります。 少し古いデータですが、このような調査があります。 https://www.jil.go.jp/foreign/report/2016/pdf/16-09_05.pdf 上記の63ページ表10を見ると、確かに昇進意欲には男女差が見られます。 重要なのは昇進したくない理由です。図11で、男性で昇進を希望しない理由で一番多いのは「メリットがない」というものです。おそらく、管理職は忙しい割に給料が安いのでは、といった実態を感じていると思われます。女性の場合は「仕事と家庭の両立が大変になる」という理由が一番多いです。 この調査報告書の後半を見ていただくと、男女の家事育児時間のギャップなどが書いてあります。このような環境要因を考慮に入れる必要があると思います。夫婦で家事や育児を同じようにやっている場合、女性の昇進意欲がどう変化するか、といったことを考える必要があると思います。 ——「20代大学生です。両親(50代)世代以上とのジェンダーに関する価値観の違いに戸惑うことが多々あります。例えば、親戚の集まりで女性陣は料理をするの対して男性陣は何もせずにテレビを見るだけ。母に「なぜ、男性陣は何もしないの?」と聞いてもいつも曖昧な答えしか返ってきません。このようなジェンダーに関するジェネレーションギャップを解決するにはどのようにすれば良いでしょうか」 治部さん:まず「なぜ男性は何もしないのか?」と尋ねていることは、良いと思います。曖昧な答えをしつつ、お母さんも、疑問を感じている可能性があります。気持ちに余裕がある場合は、何もしていない人たち(男性たち)に「どうして何もしないのか」と聞いてみたらいいと思います。ここで、変わるべきなのは男性たちの側であるからです。 もちろん、女性側も性別役割分担を内面化していて「今のままでいい」と思っている可能性はあります。 いずれにしても、若い世代からの問いかけは、上の世代にものを考えさせるきっかけにはなると思います。男性の中にも現状に疑問を感じている人がいる可能性はあります。 BAZAAR SUMMIT LIVEアーカイブ動画を限定公開中 現在、BAZAAR SUMMIT LIVEに登録いただいた方限定で、アーカイブ動画を公開中です。見逃してしまった方、もう一度ご覧いただきたい方は、ぜひご視聴ください。 BAZAAR SUMMIT LIVEに登録する ウェビナー第3回目は10月26日(火)開催! テーマは「日米では意識も制度も異なる、女性の体を巡る権利」 . 小児精神科医で、ハーバード大学医学部助教授、マサチューセッツ総合病院小児うつ病センター長を務める内田舞さんをゲストに迎え、日本とアメリカで異なる女性の体を巡る権利をはじめ、メンタルヘルスの問題や内田さん自らが妊娠時に積極的に発信したワクチン接種についてなど、「女性のからだと健康」についてトークを行います。参加をお待ちしています! 【開催概要】 開催日/2021年10月26日(火)20:00~21:00 視聴方法/オンライン配信(Eventoryにて配信) 参加費/無料 募集期間/2021年10月26日(火)LIVE終了まで ゲスト/内田舞さん(小児精神科医、ハーバード大学医学部アシスタントプロフェッサー、マサチューセッツ総合病院小児うつ病センター長) モデレーター/塚本香(『ハーパーズ バザー』編集長) BAZAAR SUMIT LIVEに登録する Read Full Article