FDAがワクチンの「追加・混合接種」を承認、私たちは接種すべき?
水曜日、アメリカ食品医薬品局(FDA)は新型コロナワクチンの追加接種について、モデルナとジョンソン・エンド・ジョンソンの緊急使用を承認した。これにより、追加接種では混合接種を正式に許可することになる。つまり、希望すれば、先に受けたワクチンと異なるメーカーのワクチンを追加接種に選ぶことができるということだ。 FDAは追加接種に同じワクチンを選ぶよう推奨はしないが、同じワクチンを接種するのが理想的だとも述べていない。 今回のモデルナとジョンソン・エンド・ジョンソンの追加接種の緊急使用認可は、先月アメリカでFDAから使用が認可されたファイザー/ビオンテックのワクチンに加わるもの。 そこで、混合接種について知っておくべきことと、接種を検討すべきかどうかについて以下にまとめた。 追加接種を受ける資格のある人は? 答えはワクチンのメーカーによって若干異なる。 ファイザー ファイザー/ビオンテックのワクチンは、アメリカでは追加接種が認められており、下記の特定グループの人のみが接種可能。CDCによると、2回目のワクチン接種から少なくとも6ヶ月後にファイザーの追加接種を受けられる。 65歳以上の人 18歳以上で長期間ケア状態にある人 18歳以上で基礎疾患のある人 18歳以上で感染リスクの高い場所で働いている人 モデルナ FDAは、以下のグループの人々に、2回目のワクチン接種から少なくとも6ヶ月後にモデルナの追加接種を行うことを推奨している。 65歳以上の人 重症化リスクが高い18歳から64歳までの人 感染リスクの高い場所に住んだり、働いている18歳から64歳までの人 ジョンソン・エンド・ジョンソン FDAは、初回投与を受けてから少なくとも2ヶ月たった18歳以上の人にジョンソン・エンド・ジョンソンの追加接種を受けることを推奨している。 データからわかっていることは? 先週末に開催されたFDAの専門家による諮問委員会で、モデルナとジョンソン・エンド・ジョンソンの追加接種のメリットについて議論した際、ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンを接種した人たちが追加接種でモデルナを受けたところ、抗体が15日間で76倍に増えたという研究データを発表した。それと比較すると、追加接種でもジョンソン・エンド・ジョンソンを受けた人は4倍に増えただけだった。 また、FDAは緊急使用認可の発表の中で、より詳細な内容を示している。FDAによると、当局は、2回目の投与から少なくとも6カ月後にモデルナの追加接種を受けた18歳以上の149名の参加者データを分析し、2回の接種を終えた1,055名の試験参加者と比較した。 追加接種を受けてから29日後、149名の参加者は「ブースター反応を示した」とFDAは述べています。FDAは何を測定したのか正確には明らかにしていないが、ブースター反応を示したということは、追加接種によって新型コロナの原因であるSARS-CoV-2ウイルスに対する抗体レベルが上昇したことを意味すると、感染症の専門家であるジョンズ・ホプキンス健康安全保障センターの上級研究員、アメッシュ・アダルジャ医学博士は説明している。 またFDAは、2021年7月から8月にかけてのデルタ株急増時にワクチンを接種した人の新型コロナウイルス感染症の発症率を比較したモデルナの分析結果を評価し、ワクチンの効果が時間とともに薄れていくことを示唆した。 FDAは、ジョンソン・エンド・ジョンソンワクチンの緊急使用認可のためのデータを共有し、初回投与から約2ヶ月後に追加接種を受けた39人の情報を分析したことを指摘した。「その結果、ブースター反応が示された」とFDAは述べている。 FDAによると、全体で約9,000人の臨床試験参加者がジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンを2回接種しており、そのうち約2,700人が少なくとも2ヶ月間の安全性追跡調査を受けたが、新たな安全性の懸念は確認されていないとのこと。 これらはボランティアの小グループのデータを基にしたもので、長期的なデータはまだ得られていない。しかし、専門家は追加接種には混合接種が間違いなく有効だと言う。 「はっきりと異なる技術を持つワクチンを使った異種混合追加接種戦略には常に関心が持たれてきました」とアメッシュ・アダルジャ医学博士。「初期のデータでは、ジョンソン・エンド・ジョンソンかアストラゼネカの後にmRNAワクチンを接種するというアプローチの方がよりメリットがあるかもしれないことを示しています」 また、感染症専門家でヴァンダービルト大学医学部のウィリアム・シャフナー教授は「データは非常に強力な抗体反応を得られると示唆している」と指摘する。 Morsa Images Getty Images ということは、追加で混合接種を受けるべき? シャフナー教授はCDCからまだ何も発表がないと強調するものの、「感染症医師や公衆衛生に携わる多くの人は、ジョンソン・エンド・ジョンソンを接種した人には追加接種としてモデルナかファイザーを推奨すると私は思います」と言う。 ニューヨーク州立大学バッファロー校の教授兼感染症学部長であるトーマス・ルッソ医学博士も、「最初のワクチンにかかわらず、ほとんどの人にとってファイザーやモデルナのようなmRNA追加接種がより良い選択肢であると考えています。一般的には、ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンを受けた人は、追加接種を受けることをお勧めします」と話している。 唯一の例外は、心臓の炎症性疾患である心筋炎の既往がある人だとルッソ博士は言う。「心筋炎の既往があり、ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンを最初に接種した場合は、mRNAワクチンの追加接種を受けてはいけません」 すでにモデルナかファイザーを接種した人は、技術的には異なるワクチンを追加接種に選ぶことも可能だが、必ずしもそれを選択するほど説得力のあるデータはないと、シャフナー教授は言う。アダルジャ博士も同じ意見だ。「ファイザーやモデルナのような同じ技術を使ったワクチンを混合して接種することにはあまり価値がないと思います」 しかし、「ジョンソン・エンド・ジョンソンの次にモデルナかファイザーを受けることは強力な組み合わせになると思われます」とのこと。 資格対象者は、予防効果を維持するためにはどんなワクチンでも追加接種を受けることが重要だと、オハイオ州アクロンの感染症医師でノースイースト・オハイオ医科大学のリチャード・ワトキンス内科教授は言う。しかし彼も、過去にジョンソン・エンド・ジョンソンを受けた人には、追加接種には別のワクチンを勧める。「もし私に選択肢があるとしたら、抗体レベルが非常に上がる結果が出ているので、追加接種にはモデルナかファイザーを選ぶでしょう」 接種しない理由はある? ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンを最初に接種した場合は、混合接種しても問題ないというデータに専門家は同意しているが、シャフナー医師はアレルギーを気に留めるようアドバイスする。アレルギーのある人は、接種を検討しているワクチンの成分を調べて、問題が起こる可能性がないようにすることを勧めている。 ※この記事は、2021年10月22日現在、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。また、日本における新型コロナウイルスに関する最新情報については厚生労働省やWHOのサイトをご確認ください。 Translation: Mitsuko Kanno From Prevention This content is created and maintained by a third party, and imported onto this page to help users provide their email addresses. You may be able to find more information about this and similar content at piano.io Read Full Article